お掃除機能付エアコン、こんな設置の仕方は困る!

エアコンの分解やクリーニングにおいて、一般的な壁掛けエアコンと「お掃除機能付きエアコン」では構造に大きな違いがあります。通常のエアコンであれば、前面パネルを外してフィルターを取り外し、基盤やファンにアクセスすることが比較的容易です。しかし、お掃除機能付きエアコンはその名の通り「自動でフィルターを掃除する機構」が内部に組み込まれているため、モーターやブラシ、ダストボックス、配線などが多く追加されています。そのため、分解時にはこの掃除ユニットを取り外す作業が必須となります。

特に問題となるのが、右側に集中している「電装部」と「配線コネクタ」です。お掃除ユニットを外すためには、まずこの配線を1本1本外す必要があります。エアコンの右側には、基盤(制御基板)や電源ケーブル、各種センサーやモーターへつながるコネクタが複雑に接続されており、誤って力任せに外すと断線や破損につながります。そのため、慎重にコネクタの爪を押しながら引き抜くという繊細な作業が欠かせません。

ところが、エアコンの設置状況によってはこの「右側の作業スペース」が確保できていないことが少なくありません。例えば、エアコン本体が壁の右端ぎりぎりに取り付けられていたり、窓枠や柱がすぐ横にある場合です。このようなケースでは、右側に手を差し込むスペースがほとんどなく、コネクタをつまんで外す動作が非常に難しくなります。

具体的には、以下のような支障が生じます。

  1. 指が入らない

     コネクタは小さく、解除用の爪を押す必要がありますが、隙間が狭いと指先や工具を入れることができません。

  2. 目視できない

     作業はただでさえ細かいのに、壁に近すぎると覗き込むことができず、手探りになってしまい、コネクタを無理に引っ張って破損させるリスクが高まります。

  3. 配線を傷めやすい

     無理な角度で配線を引っ張るため、被覆が破れたり断線する恐れがあります。特にお掃除ユニットの配線は複数あり、1本でも破損すると正常に動作しなくなります。

  4. 基盤の取り外しが困難

     基盤自体も右側に配置されており、スペースがないとネジを外すドライバーさえ差し込めない場合があります。

このような理由から、エアコンの右側には最低でも5〜10cm程度の作業スペースが必要とされています。メーカーの施工説明書にも「右側○cm以上のスペースを確保してください」と明記されている場合が多いのはこのためです。施工時にこれが守られていないと、分解清掃の際にどうしても壁との干渉が発生し、作業がスムーズに進まなくなります。

実際の現場では、右側の隙間が2〜3cmしかないケースも珍しくありません。この場合、どうしても手が入らず、結果的に本体を一度壁から外して位置をずらす必要が出てきます。これは非常に大掛かりな作業となり、時間や費用の負担が大きくなります。逆に、設置時に右側のスペースを確保しておけば、配線の取り外し・取り付けがスムーズにでき、清掃や修理の際のリスクを大幅に減らすことができます。

まとめると、お掃除機能付きエアコンは通常タイプより配線やユニットが複雑で、特に右側に集中しているため、右側に十分な隙間がないと配線を外す作業が極めて困難になります。スペースが足りないと、指も工具も入らず、見えない状態で無理に作業することになり、破損や故障のリスクが高まります。そのため、設置時には将来的なメンテナンスを考慮し、右側に余裕を持たせることがとても重要なのです。

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